次世代モビリティ「eVTOL」市場にホンダ参入! "空飛ぶクルマ"開発バトル、出遅れニッポンの勝ち目はあるのか?

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ホンダが開発中の機体はガスタービンエンジンとバッテリーを使用したハイブリッド型。まずはパイロットが操縦する機体で2023年からアメリカで飛行試験を始め、30年に販売開始。その後は完全自律運航の機体を開発する計画だ

次世代モビリティ「eVTOL」市場にホンダ参入! 

空飛ぶクルマと呼ばれ、世界各国で実用化に向けた激しい開発競争が繰り広げられているeVTOL(イーブイトール/電動垂直離着陸機)。【写真】世界のeVTOLこの秋、ホンダが開発に取り組んでいることを発表し、にわかに注目を集めるが、そもそもeVTOLはどんな乗り物で、いつ頃からわれわれの頭上を飛ぶのか? 将来の市場は30兆円規模ともいわれる新たなモビリティの可能性に迫る!■eVTOLにはふたつのタイプがある「ひと口に"空飛ぶクルマ"と言ってもいろんな種類があります。タイヤがついて地上を走り空も飛べる空陸両用車というのがありますが、今世界中で主に開発に取り組んでいるのは『eVTOL』です」と語るのは、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科付属研究所の中野冠(まさる)顧問(前教授)だ。eVTOLは「electric Vertical Take Off and Landing」の略で、直訳すると電動垂直離着陸機となる。一般的には空飛ぶクルマと呼ばれているが、道路を走行する機能は持っていないことが多い。日本では国土交通省が「電動、自動(操縦)、垂直離着陸」という3つのキーワードを掲げているが、世界的には明確に定義されていないという。実際、ホンダはガスタービンエンジンとバッテリーを組み合わせたハイブリッド型のeVTOLを開発しているし、現段階ではパイロットが乗ることを想定した機体も多い。「eVTOLは、ドローンのように複数のプロペラを持った『マルチコプタータイプ』と、飛行機のように『固定翼を持ったタイプ』に大きく分けることができます」さらに中野氏が解説する。「マルチコプタータイプは遠くまで飛べませんし、時速100キロ程度が精いっぱいです。ただし機体はコンパクトで、構造もシンプル。製造がしやすく、一機あたり数千万円で購入できると思います。一方で固定翼を持っていると、高速(時速200~300キロ)で長い距離を飛ぶことができます。ただ機体は大きく複雑になるので、航空工学の幅広い知識やノウハウが必要となる。機体価格が数千万円から数億円になるものもあるでしょう」

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最終更新:週プレNEWS