森崎ウィン「僕だけのものにしておきたいと思いました」(ananweb)

「明日を頑張るパワーがもらえる作品です」

ひかりTVオリジナルドラマ『湯あがりスケッチ』森崎ウィンさん

森崎ウィン「僕だけのものにしておきたいと思いました」(ananweb)

今回、ご紹介するのは、ひかりTVオリジナルドラマ『湯あがりスケッチ』。東京のノスタルジーあふれる銭湯を舞台に、そこに集う人々の心温まる交流を描いたハートウォーミングストーリーです。本作で、劇作家志望の熊谷多喜を演じた、森崎ウィンさんにお話をうかがいました。【画像】カッコよすぎてドキドキ! 森崎ウィンさんの取材の様子はコチラ。

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『湯あがりスケッチ』は、銭湯ブームの火付け役となった『銭湯図解』の著者・塩谷歩波氏の実体験をモチーフに描いた、8人の女性と銭湯の物語です。主人公は、憧れだった建築設計の仕事に就いたものの、日々の業務に追われて疲弊し、自信を失っていた女性・穂波。ふとしたことから友人の朋花に誘われ、彼女がハマっているという銭湯へ行くことに。暖簾をくぐると、天井の高い浴場にカランと響く桶の音。湯船に注がれるジェットバスの音。子どもたちの笑い声。そこには穂波の日常とは違う別の世界が広がっていました。すっかり銭湯の魅力にハマった穂波は、『銭湯図解』のイラストを描きながら、北千住の銭湯『タカラ湯』で番頭として働きはじめます。主人公の穂波を連続ドラマ初主演となる小川紗良さん。穂波に影響を与えるレギュラーキャストとして、『タカラ湯』3代目・氏子愛之助役で村上淳さん、劇作家志望の常連客・熊谷多喜役で森崎ウィンさん、愛之助のひとり娘で思春期真っ只中のゆづ葉役で新谷ゆづみさんが登場。穂波とともに、コミカルで温かな対話劇を繰り広げます。物語のカギとなるのが、実際に営業している東京の銭湯と豪華ゲストたち。穂波が銭湯の魅力にハマるきっかけとなった友人・佐伯朋花役で伊藤万理華さん、穂波に書籍の出版を提案する編集者・新浪灯子役で成海璃子さんが登場。さらに、安達祐実さん、臼田あさ美さん、室井滋さん、夏子さん、中田青渚さんといった、多彩なキャスト陣が悩みやしがらみを抱えながらも、日々を生きる女性たちを熱演しています。ーー出演オファーを受けた際、中川龍太郎監督から素敵なお手紙をいただいたそうですね。具体的には、どのような内容だったのでしょう。森崎さん お手紙を読んで、中川監督にほれ込み、ものの5秒で出演を決めました。1通のお手紙で心をつかむような、信頼できる方が作る物語なら、きっと多くの方の心に届くだろうと。僕だけのものにしたいので、詳しい内容に関しては、伏せておきたいと思います。それほど素敵な内容でした。ーーご自身と熊谷が似ているところ、共感したところは?森崎さん 熊谷は劇作家志望ですが、スランプに陥ってしばらく物語を書けずにいるという役どころです。僕も音楽活動を行う際、彼と同じようにスランプに陥って、曲が書けないときがありました。彼が抱える、生みの苦しみはよく理解できました。ーー演じる際に心がけたことを教えてください。森崎さん 台本に黒字で絶対に言ってほしいことは書いてあるのですが、「そのほかのことはフィーリングで埋めてほしい」「熊谷多喜と森崎ウィンが行き来しているところを観たい」と監督に言われまして。これまでの作品では、演じる人物のバックグラウンドを作ったとしても、本編で語るシーンは多くありませんでした。熊谷の初登場シーンで、彼は自己紹介をしていますが、ぜんぶアドリブなんです。バックグラウンドを細かく作り込んで、自分なりの熊谷を表現しました。ーー俳優として、本作で初めて経験したことは?森崎さん 本作の撮影スタイルは、現場に行くまで何が起こるのかわからないというものでした。あるシーンを撮る際、そのシーンの前に起こったことを自分で埋めて、カメラの前で披露するんです。そういった撮影スタイルは初めての経験でしたから、自分も制作者のひとりになったような気持ちになり、とても新鮮でした。ーー俳優としての力量を試される現場だったのですね。森崎さん そうかもしれません。監督は、台本に書かれていないところを表現することによって、その人物が実際に生きているように表現したかったんだと思います。ーー共演者の方の印象について教えてください。森崎さん 小川さんは、ずっと心の底で何かが燃えているような、刺激をたくさんもらえる方だなと思いました。座長として、いろいろな方とコミュニケーションを取り、みんなをひとつにしようとしていました。ゲスト出演した室井滋さんとはテレビドラマ『名もなき毒』(2013年)、成海璃子さんとは映画『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』(2010年)以来の共演でした。成海璃子さんと一緒のシーンはありませんでしたが、撮影現場でお見かけした際、「久しぶり」と挨拶を交わしました。おふたりと共演させていただいたことで、「役者のお仕事を続けています」という報告ができたと思っています。撮影現場で、以前ご一緒した出演者の方やスタッフの方をお見かけすると、「あ、僕はまだこの仕事を続けているんだ」と思い、ほっとするんです。僕は愛之助を演じた村上さんと一緒のシーンが多かったのですが、村上さんの、自分をそぎ落とした演技はすごいなと思いました。愛之助はこの後、どんどん暴れていきますから、注目していただきたいです。村上さんは博識なうえにお話が上手で、撮影の合間には、コロナを経ての人との関わり方からスピーカーに1万円の線をつけるだけでハイレゾの音が全然違うことなど、いろんなことを教えていただきました。ーー最後に、本作の見どころを教えてください。森崎さん 銭湯を舞台に、いろいろな人の人生を観ることで心が浄化され、明日を頑張るパワーがもらえる作品です。そして、絵がとにかくキレイ。素敵なスタッフさんたちと一緒に作った作品です。観終わった後、すっと眠りにつけるような爽快感を、画面を通して存分に味わってください。

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