(前回からのつづき)Microsoftは、ローコードデータベースを最初に販売した企業のひとつだ。Accessのオリジナルバージョンは1992年に初めて出荷された。平均的なコンピューターユーザーをターゲットとし、最終的にはワープロソフトなどのOffice製品にバンドルされた。人々はメモを取るくらい簡単にデータベースを作成し、データ入力することができるようになった。
現在、最新版のツールセットは「Power Apps」を掲げて、データベース周りの最先端アプリをサポートしている。このツール類はベーシックなOfficeに緊密に統合されており、同じユーザーグループ向けに販売されている。ユーザーはデータの場所について気にかける時間をあまり取られずに済むが、多くはMicrosoftのハイエンドの中でもフラッグシップであるSQL Serverに接続している可能性がある。
Oracleのデータベースはかつて、インストールするのが最も難しいもののひとつだった。だが現在、同社は「自律型」バージョンも販売している。元々は人間が手作業でしていた雑用の多くを自動化ルーチンが処理してくれるのだ。それらには「自動スケーリング」「自動チューニング」「自己修復」「自動プロビジョニング」などがあり、さらには「自動バックアップ」「自動フェイルオーバー」もある。
こうした機能によって、データベース管理者の作業は楽になり、他の開発者は手元での仕事の処理が簡単になる。データベース作成用のwebインターフェイスもあるが、一般的なユーザーにとってはまだ複雑すぎる節がある。
SAPの「Rapid Application Development」は、クラウド内でデータにアクセスするためのツール類を提供している。たとえば「Ruum」は、アイコンをスレッド化してデータをSAPプロセスに送る。「Robotic Process Automation」ツールは、文字認識で自動的にデータ化してデータベースへ登録するなどのAI機能を持つ。
ローコードデータベースと一般的なアプリケーションとの線引きは難しい。多くのアプリはデータベース機能を一部に限定したフロントエンドに過ぎず、ユーザーは気づかないうちに従来のデータベースに情報を保存していることがある。少なくとも一般的なアプリにおいては、自動化レイヤーでフローが容易になっている。
オープンソースツールキットの一部には、これをシンプルにするように設計されたものもある。たとえば、ページや記事用のデータベースを作成するために設計されたコンテンツ管理システムの「Drupal」や「Joomla」などだ。DrupalのWebformモジュールには詳細な調査を作成する機能があり、ユーザーは独自のデータを入力できる。他のコンテンツ管理システムとして「WordPress」があり、ほぼ同じ機能をもっているが、ブログやその他のテキスト文書作成により重点を置いている。
主要なクラウドサービスは、ツール類を追加して、クラウドデータサービス内にデータを保存するアプリを作成する複数の方法を提供している。Google の「AppSheet」は、G Suiteのオフィス製品に緊密に統合されたアプリを手軽にまとめることができるサービスだ。これは最近廃止された「App Maker」の代替のひとつだ。(次回につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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