映画『ジョーズ』登場するスウェットシャツに見る、70年代的お洒落なカジュアルスタイル

「大人の名品図鑑」スウェットシャツ編#5

モデル名は「トンプキンス スウェットクルーネック」。1940~50年台にアメリカで製作された特殊な編機を使って編まれた裏毛素材を使用。前身頃と後ろ見頃の襟元に「Vガゼット」を配置したクラシックなデザイン。8,360円(税込)/ヘルスニット

およそ100年前のアメリカで、それまでウールでつくられていた運動着をコットン素材に改良したものが発明された。これがスウェットシャツの起源だ。コットンの運動着は、伸縮性や吸汗性に優れ、肌触りもよいので着やすい。現代では誰もが愛用する衣服なった。今回は、映画を題材にスウェットシャツの名品を紹介する。【詳細写真を見る】お洒落なヴィンテージ風の織りネーム入りスウェットシャツ

名匠スティーヴン・スピルバーグが1975年に監督したアメリカ映画『ジョーズ』。彼が弱冠27歳でつくった作品で、ジャンルは海洋アクションスリラー。「ダーダッ……ダーダッ……ダーダッダーダッダー♪」というジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ曲を聴くだけで、この映画や巨大なサメを連想する人も多いだろう。舞台となるのはアメリカ東海岸に位置するアミティ島という架空の島。海辺のパーティに参加していた女性が夜の海で泳いでいると、突然なにかに襲われ、水中に引き込まれて行方不明になる。翌朝発見された死体にはサメに襲われた跡がある。すぐに警察署長ブロディはビーチを閉鎖しようとするが、観光客が減ることを嫌った市長がそれに反対。しかし次々と犠牲者が出て、町はパニック状態に。ついにブロディは若き海洋学者のフーパーと、荒くれ者ながらサメに詳しい漁師クイントとともにサメ退治に向かう。こんなストーリーだ。警察署長ブロディを演じるのはロイ・シャイダー。代表作は『フレンチ・コネクション』(71年)や『オール・ザット・ジャズ』(79年)など。海洋学者マット・フーパー役はリチャード・ドレイファス。彼は『アメリカン・グラフィティ』の主演でも有名で、のちに『グッバイガール』でアカデミー主演男優賞を獲得した。そして、漁師クイントを演じるのは名優ロバート・ショウ。『007 ロシアより愛をこめて』(63年)、『スティング』(73年)などの話題作に出演、俳優より先に作家として有名になり、各国で書籍も発行されているほどの才人だ。