JAL、災害想定の大型ドローン実証実験 米テキサス州で、住商・ベルと

米テキサス州での実証実験に用いたAPT70(JAL提供)

JAL、災害想定の大型ドローン実証実験 米テキサス州で、住商・ベルと

 日本航空(JAL/JL、9201)は12月7日、災害時を想定し大型ドローンを活用した実証実験を米テキサス州で実施したと発表した。eVTOL(電動垂直離陸機)分野で業務提携を締結している住友商事(8053)とベル・テキストロンの両社との共同実施で、運用ノウハウや調査データを、国内の物資輸送や災害時の緊急対応に活用する。 現地時間11月19日にテキサス州フォートワース市で実証実験し、ベルが開発したドローン「APT70」を用いた。組み立てや分解、運搬など、日本国内での実証実験に向けた運用性や、シミュレーターの操作性を確認。医療、支援物資輸送を想定した飛行性能も調査した。 実証実験に使用したAPT70は最大時速160キロ、巡航速度112キロで自律飛行する。航続距離は35マイル(約56キロ)で、最大積載100ポンド(約45キロ)を輸送できる。 日本は地形や地質、気象などの特性により災害が多く発生しやすい災害大国のため、防災・減災対策として短時間でも組み立てが可能なドローンを活用し、新しい災害対応モデルの構築を目指す。今後は山間部や離島など、ドローンを使用した物資輸送や災害時の緊急対応などを実現に向け、日本での飛行実証実験を各自治体と連携し目指す。 JALと住商、ベルの3社は2020年2月に業務提携締結を発表。eVTOLを活用し、新規事業の創出や次世代インフラ事業の開発などに向け、日本とアジアでの市場調査や事業参画への検討を進めている。

Yusuke KOHASE