旅客機が就航していない離島地域とも物流ネットワークを構築し、貨物需要の創出を目指す
日本航空(JAL)は長崎県の自治体などと協力し、無人ヘリコプターを活用した食品輸送や水難事故・密漁監視を想定した実証実験を12月から行う。既存の航空貨物輸送と組み合わせ、旅客機が就航していない離島地域とも物流網を構築し、貨物需要の創出を図る。併せて無人ヘリコプターの多用途展開の一環として実施する。30秒で分かる「空飛ぶクルマ」 12月に行う長崎・五島列島の長崎県新上五島町から長崎・佐世保方面へのルートでは、同町で水揚げされた「朝どれ鮮魚」を無人ヘリコプターで輸送する。長崎空港からJALが運航する羽田(東京)着便を活用し、その日のうちに都内飲食店への輸送を想定する。 2022年1月には中通島(長崎県新上五島町)で無人ヘリを活用し、水難事故を想定した救助や密漁監視の訓練を行う。無人ヘリの利便性や有効性を検証するのが狙い。 無人ヘリはヤマハ発動機の「FAZER R G2」を活用。遠隔操縦して通信手段やオペレーションの省力化、商品の適切な販売価格などを検討する。 JALは飛行ロボット(ドローン)を使った物流や「空飛ぶクルマ」の実用化を目指し、21年4月に「エアモビリティ創造部」を発足。これに先立ち、20年11月には長崎県の佐世保市と新上五島町などで無人ヘリによる貨物輸送の実証実験を行った。 国土交通省は22年後半にも改正航空法を施行し、有人地帯の目視外飛行(レベル4)が解禁される見込み。ドローンによる荷物輸送が事業化段階に入ることが期待される中、JALは23年度にドローン物流の実用化を目指す。
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