琵琶湖の水質調査 水中ドローンで採水実験 経費削減、効率化へ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

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琵琶湖の水質調査 水中ドローンで採水実験 経費削減、効率化へ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

琵琶湖河川事務所が試行に使った水質調査用の水中ドローン。手前のドローンの上部には容量500ミリリットルの採水カプセルがある=大津市玉野浦で2022年2月3日午後2時44分、庭田学撮影

 国土交通省琵琶湖河川事務所は、琵琶湖の水質調査で水中ドローンによる採水などの実用性を探るため、大津市の南湖で実証実験を行った。ドローンを使えば、現在の船舶による調査に比べ経費を削減できるほか、少ない人員で効率を上げられる可能性があるという。実験ではドローンの操作性や採水機能などを確認した。 同事務所は毎月1回、琵琶湖22カ所で、7、8人が乗った船で水質調査を実施している。水中ドローンは2人だけでの調査が可能で、水質調査船よりも維持管理費が削減できるという。一方、船の水質調査では1カ所で10リットルを採水するが、実証実験に使ったドローンは1回500ミリリットルしか採水できない。10リットルを集めるため、ドローンでは同じ場所で採水を20回繰り返さなければならない。 実験で使用した水中ドローンは本体が長さ約38センチ、幅約33センチ、重さ5キロ。最長300メートルのケーブルでつながったコントローラーで陸から操作する。スラスターと呼ばれるスクリュー6個で動き回り、深さ150メートルまで潜航できる。位置は全地球測位システム(GPS)で確認。容量500ミリリットルの採水カプセルを搭載でき、約15秒で水を吸入する。 琵琶湖河川事務所は実験でドローンの位置や水深の精度などを確認、採水にかかる時間を検証した。水の溶存酸素量を測定するセンサーを搭載し、今後、その精度も確認する。 同事務所の荻田隆行・総括保全対策官は「ドローンはケーブル式なのでエリアが制限され、天候や波の状況にも影響を受けるようだが、新しい技術の活用の可能性を探りたい」と話した。【庭田学】

最終更新:毎日新聞