Vol.46 新しいステージに入ったドローン産業[春原久徳のドローントレンドウォッチング] | DRONE

Drone1.0(空撮用機体の競争)~2016年

空撮プロの間では、2012年ぐらいからカスタム機体に1眼レフカメラなどを搭載した形での空撮が拡がってきていた(この頃から空撮業務を行っている人にとっては儲かった時代であった)。2014年ぐらいから、DJIのPhantomが登場し、バージョンを追うごとに機体も安定していき、Inspireといったプロ空撮機なども登場した。その中でHD、フルHD、4Kと搭載カメラの解像度も上がっていき、空撮が身近で、しかも高品質になった。

と同時に、2015年はホワイトハウスや首相官邸への落下により、社会的事件として「ドローン」が注目を浴び、気軽に飛行させることが難しくなった(日本ではラジコンvsドローンという形での構図も生じた)。2015年末の航空法の改正を契機に、「ドローン」はコンスーマーやプロスーマーのガジェットから、業務活用のデバイスへと変貌していった(それは日本だけでなく、世界中で飛行させる規則が厳しくなり同様な形でポジショニングを変えていったのだ)。

Vol.46 新しいステージに入ったドローン産業[春原久徳のドローントレンドウォッチング] | DRONE

このDrone1.0において、DJIの競争力は非常に高かった。

▶︎[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.27マルチコプターにおいてのDJIの圧倒的な勝利はなぜか?

ここで1番のライバルとなり得たのは3DRであった。しかし、最初の戦いで敗れ去った。

▶︎3D Roboticsの光と影、この2年間に起こったこととは?

Parrotもコンスーマー市場から撤退し、産業用もあまり振るわなかった。そんな中で、2016年にはDJI 1強の時代が訪れたのだった。それもほぼ世界中で。