空飛ぶクルマの実用化、「川の上から」構想 安全面に配慮 | 自動運転ラボ

ドローンによる公共配送サービスでも実践

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空飛ぶクルマの実用化は、まず「川の上」から始まるかもしれない。そんなこと思わせる発表がゼンリンからあった。ドローンの安全で長距離の飛行のために、川の上に「空の道を形成した」というトピックスだ。

確かに空飛ぶクルマの実用化において、最初は安全第一を考えるなら飛行するのは川の上がいいかもしれない。大阪府の吉村知事も2021年2月に行われた知事記者会見において以下のように述べている。

「空飛ぶクルマなんかも、実は川と海があるから、その上を通ったら行けるじゃないかというのが僕の着眼で、まずこれをやろうよということで、川の上と海の上を通ったらええやんかというのは、今、もうかなり大阪でやることについて現実化してきていますし〜(以下略)」

ゼンリンの今回発表した内容について紹介しておこう。2021年11月16日から長野県伊那市で、中山間地域における買い物をドローンで支援する新たな公共配送サービスを開始するという内容だ。

この取り組みで使うドローンは、配送先まで移動する途中、伊那市の長谷地区を南北に流れる三峰川上空の「空の道」を飛行する。なるべく川の上空を飛行するようにすれば、ドローン配送の安全度が飛躍的に高まるからだ。

この「空の道」の整備は、地域住民や地元企業との連携、高精度な3D地図データを活用することで成しえたようだ。ちなみにドローンが配送先近くの着陸地点に着くと、各地区のボランティアがドローンから商品を受け取って、配送先宅に届けるという。

中山間地域では高齢化や人口減により買い物難民が増加している。今回の取り組みは地元住民の買い物の利便性を向上させ、地域経済の活性化についても期待ができる。

「万が一途中で荷物が落下したら?」と考えると、川の上での配送なら安心できるという人も多いはず。空飛ぶクルマでも同様のことが言える。ドローン配送でも空飛ぶクルマによる人の輸送でも、まず川の上から飛行を開始した方がいいのかもしれない。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマに予算!吉村知事「川と海の上を通ったらええやん」」も参照。

記事監修:下山 哲平(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)【著書】 ・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド ・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)

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