モビリティサービスブランド「MoovitAV」で運用されるモービルアイの自律走行車
ドライバーレス時代へと向かう道のりの通過点
インテル傘下のモービルアイは9月7日(現地時間)、公道を走行できる6人乗りの電動自律走行車(AV=Autonomous Vehicle)を発表した。また、2022年に無人で走るロボットタクシーとして、イスラエルのテルアビブとドイツのミュンヘンでサービス開始を予定していると明かした。
この6人乗り無人ロボットタクシーには、8つのEyeQ 5 SoC(システム・オン・チップ)を備えた「AVKIT58」を採用する自動運転システム「Mobileye Drive」が搭載されていて、インテルの子会社である「MoovitAV」が運営する予定という。
水冷式のレベル4コンピュートシステム「AVKIT58」は、冗長化されたPCB(Printed Circuit Board=プリント基板)と電源を備えていて、324×232×89mm(全幅×奥行き×高さ)の大きさで、わずか650Wで192TOPを実現。現在市場に出ているAVシステムの中でもっとも電力性能が高いとしている
完全自律運転を実現するには、拡張性のあるさまざまなソリューションが必要で、Mobileye AVは、効率性、アクセスしやすさ、安全性能という本質的な特性をはじめ、経済性と地域性の両面で走行できる領域も考慮して1から設計。カメラ、レーダー、ライダーセンサーを備えた「True Redundancy」、センシング・ソリューション、クラウドソーシングによる「Roadbook AVマップ」、「責任感知型安全論(RSS)運転ポリシー」という、モビリティの3大要素となる機能をすべて実装した初のAVという。
Mobileye AVに搭載された自動運転システムMobileye Driveは、荷物の配送から人(旅客)の輸送まで幅広いタイプの車両で使用でき、現在利用可能な自動運転ソリューションにおいてもっとも高い汎用性が見込まれている。
モービルアイはドイツのミュンヘンに本社を置くSIXTグループとの協業により、2022年にドイツを皮切りに量産車とロボットタクシーによるライドハイリングサービスを市場投入するとIAA Mobility 2021で発表した
また、自律走行シャトルの組み立てに使用する自動運転車のシャシー製造において、モービルアイとシェフラーとの協業が計画されていて、モービルアイはすでに配送のラストワンマイルでの自律走行を目指す車両「Udelv Transporter」に、Mobileye Driveを供給することをUdelvと合意したことを発表している。さらに、これまでにフランスとドイツでの自律運転シャトルの製造・展開においてTransdevおよびLohrと提携したことも発表している。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1350713.html
モービルアイCEO(最高経営責任者)のアムノン・シャシュア氏は「モービルアイは、自律走行車を消費者に届けることに情熱を注いでいます。MoovitAVのサービスを通じて利用できるこの最新Mobileye AVは、ドライバーレスの世界へと向かう道のりにおける重要なマイルストーンとなります」と述べている。