2022.02.04 Friday
Bristol scientists develop insect-sized flyings with flapping wings http://www.bristol.ac.uk/news/2022/february/flapping-wing-robots.html Flying generates as much power as a flapping insect https://www.newscientist.com/article/2307069-flying-robot-generates-as-much-power-as-a-flapping-insect/ Liquid-amplified zipping actuators for micro-air vehicles with transmission-free flapping https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.abi8189
人類は自然から学んで、飛行ロボット(もしくは飛行機)の開発に成功してきました。
しかしそのほとんどは、固定翼やプロペラを用いたものであり、「羽ばたき」を採用した飛行ロボットの例は少数です。
そんな中、イギリス・ブリストル大学(University of Bristol)工学部に所属するティム・ヘルプス氏ら研究チームは、昆虫のように羽ばたく飛行ロボットの開発に成功しました。
ミツバチの体を参考にすることで、シンプルで安定した羽ばたきシステムを作ることができたのです。
研究の詳細は、2022年2月2日付の科学誌『Science Robotics』に掲載されました。
目次
ミツバチから生まれたシンプルな飛行システム
ほとんどの飛行ロボットには、ギアやモーターが欠かせません。
例えば、プロペラで飛行するには、まずモーターで動力を生み出し、それをギアで変換してプロペラに伝えなければいけません。
エネルギーを使って飛行するためには、部品同士をつなぎ合わせた「伝達システム」がどうしても必要なのです。
しかし、これら複雑なシステムは故障の原因にもなりやすく、搭載することでロボット自体が重くなります。
私たちが飛行ロボットに求めている「安定感」や「エネルギー効率」とは、相反するものなのです。
実際、これまでに開発されてきた小型羽ばたきロボットも、翼を上下させるためにモーターやギアを使っており、複雑で重くなっていました。
では、もっとシンプルな飛行システムはないのでしょうか?
研究チームは、ミツバチなどの昆虫がもつシンプルな構造を参考にして、モーターやギアを使わない羽ばたきシステムを開発することにしました。
次ページ羽ばたきロボットが自然界を凌駕する
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