諸君、イヤホンが好きか? 私は好きだ!(咳払い)失礼、名乗るのを忘れていたな…。私、編集部きってのイヤホンマニア、人呼んで「成藤少佐」であります。 さて、いきなりでご挨拶だが、君のイヤホン、汚れてるんじゃないか?
ヘッドフォン祭の1日目は取材、2日目はプライベートで聴きまくり。それが成藤少佐のスタイルだ通勤通学、趣味のお供に欠かせないイヤホンだが、身につけて使うものの宿命というか、毛くずやホコリ、皮脂や耳垢が徐々に積もってくる。汚れたまま放っておいては、見栄えはもとより衛生的にも少し不安だろう。たまには日頃の相棒(バディ)を労ってあげてはどうだ? そこで、高くても2,000円くらいまでで手に入る便利グッズや、メンテに役立つテクニックを紹介しよう。 日ごろ愛用するものほど汚れが目立ってくるもの。衛生や音質に影響することもあるので、折を見てきれいにしたいところ■
ハウジングは拭き掃除が基本だが「何で拭くか」に注意イヤーピースを使わないカスタムIEMはもとより、一般的なイヤホンでも指や顔のまわりに触れる機会は多い。ハウジングに、皮脂は “付きもの” というわけだ。皮脂をこそげ取りやすい、眼鏡拭きやマイクロファイバークロスのようなものを1枚は持っておくと便利だ。メガネ拭きなどで拭けばだいたいOKまた、ケーブル脱着式のイヤホンだと、金属端子が汚れて接触不良を起こすことがある。こういうときに役立つのが、電子工作やカメラをたしなんでいるなら馴染みがあるだろう、無水エタノール。洗浄力が強く、名前のとおり水をほとんど含まない。一部で絶大な人気を誇る万能クリーナー・無水エタノール。カメラ店などでも手に入るつまりは、金属の錆や腐食をおこしにくいって代物だ。綿棒を軽く湿らせて擦ってやれば、たいていの汚れとはオサラバできる。ブツの入手も簡単だ。最近は量販店のカメラ売場でも1,000円前後でよく置いてある。ただし、手に入りやすいとはいえ濃度の高い薬品なので、火気厳禁や換気といった配慮も忘れてはいけない。だが、無水エタノールは拭きあとが残りづらく、皮脂もよく取れるのでイヤホン本体にも使いたくなるだろうが、その前にメーカーの注意書きなどにちょっと目を通してほしい。イヤホン本体で多用される樹脂や接着剤、表面を滑らかにするコーティング剤などが、エタノールで劣化するかもしれないんだ。実際、Shureイヤホンのマニュアルには、メンテの一環として薄めた消毒液を使った手順が書かれているが、同時に「アルコールベースのものはダメ」とも記載してある。シット!面倒なことに、必ずしもイヤホン全部がエタノール禁止という訳でもない。例えばカスタムIEMメーカーJH Audioの“カスタムIEMのクリーニングガイド(英語)”では、皮脂の除去や余分な水分の蒸発にも役立つ等の理由でエタノールを使った拭き掃除を推奨している。相棒(バディ)のプロフィールを把握して、使えるもの/使えないものを区別してから、効果的に使っていこう。