【レビュー】ウォークマンA20はどう進化した? 付属イヤフォンでハイレゾ+NC、h.ear onヘッドフォンも - AV Watch Watch

 従来のA10シリーズがハイレゾ再生を安価に楽しめるモデルとして登場したことは'14年の話題の一つであり、個人的にも気に入っていた。いち押しのモデルとして年末特別企画の記事でも紹介している。そのAシリーズが最新のNW-A20/A20HNになって大きく変わったのは、以下の3点。

従来モデルのNW-A16(左)と、新モデルのNW-A25HN(右)

 もちろん、イヤフォンがハイレゾ対応でなくても音が聴けないわけではなかったが、せっかくウォークマン本体がハイレゾファイルを再生できるのに、付属のイヤフォンの再生周波数帯域が、これまでハイレゾに規定されている帯域をカバーしていなかったのは、確かに不完全だったといえる。これをカバーするイヤフォンが付属しても約28,000円~で、従来のA10シリーズ(発売時は実売25,000円~)から価格は大きく上がっていない。

NC機能の設定画面NW-A25HNと付属イヤフォンで再生

 さっそく、「NW-A25HN」と付属イヤフォンの組み合わせで、ノイズキャンセリング機能を試した。NCはON/OFF可能で、[電車・バス]、[航空機]、[室内]の各モードと、環境に合わせて自動で設定する[フルオートAINC]から選べる点は、A10から変わっていない。

 エアコンをかけた室内や、地下鉄などで試したところ、モーター音など一定の騒音がはっきり低減されているのが分かる一方で、ONにした時の耳(鼓膜)への圧迫感はほとんど無い。従来モデルのA10と付属イヤフォンでNC機能を長距離移動時などに使っていたところ、わずかだが鼓膜が押される感覚があった。それがさらに低減されたことで、ずっと使い続けたい機能として満足度が高まった。

【レビュー】ウォークマンA20はどう進化した? 付属イヤフォンでハイレゾ+NC、h.ear onヘッドフォンも - AV Watch Watch

 音質についても、A25HNではNC ONにした時に大きな変化が無かったことはうれしい。「NCでもハイレゾ対応」というのは、ONにしても音が大きく変わらず聴けることを指しているようだ。ずっとONにしていても疲れることは無く、長く着けているとNCが効いていることを忘れてしまうこともあった。そんな時も、ウォークマンの電源をOFFにすると急に周りの騒音が聴こえるようになるため、いつもは静かだと思っている街や、電車が通っていないホームも、実は結構な騒音があることに気付かされた。

 外部の騒音が少ないということは、曲の静寂部分もしっかり聴けるため、音が出ている時との違いを味わえる。また、ボリュームを上げすぎずに聴けるので、大きすぎる音から耳を守るという利点もある。

 ウォークマンのノイズキャンセリング機能は、高いノイズ低減性能を持っていることは以前のモデルから実感していたが、付属イヤフォンまたはソニー製の一部ヘッドフォンでしか使えないという点は変わっていない。飛行機など長時間に渡り騒音がある場合は、NC機能を積極的に使っているので、筆者は長距離移動時、ウォークマンの付属イヤフォンと、NCを使わないときに高音質で聴くための2つのイヤフォンを持っていくのが普通だった。

 今回、A25HNのNCを通勤や散歩などに使ってみたところ、NC機能が特別な時だけのものでは無く、普段からONにしてもいいと思えた。ハイレゾ再生時のバッテリ持続時間も、NC OFFでは30時間、ONでも27時間と大きな違いは無い。電車や街中の移動など周囲の環境が変わる場合は、常に[フルオートAINC]にしておくことで、A25HNの良さをフルに活かせるように思う。

 なお、A10シリーズも10月13日に行なわれたVer.1.20へのアップデートにより、ハイレゾとNC機能の両方を併用できるようになった。同機能の利用に必須となる対応イヤフォン「MDR-NW750N」(ブラック/ホワイト)は実売12,000円前後。ウォークマン本体と同じカラーのイヤフォンが付属するNW-A25HN(16GB)は実売28,000円前後なので、イヤフォンだけを追加で買うと、やや割高感もある。A10ユーザーがA20へ買い替えるかどうかは、本体がどれだけ機能向上したかが重要になってくる。そういった点を続いてチェックしていきたい。

NW-A16/17もアップデートでハイレゾとNCを併用可能になる