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投票所に行かずに、スマートフォンで手軽に1票。選挙の投票スタイルは近い将来、こう変わるかもしれません。若者の低い投票率は改善されるのか。教育の現場である取り組みが始まっています。 ◇◇◇◇◇ 「どうしようって思いました」茨城県立並木中等教育学校の枝川優菜さん(16)は、一般の高校の1年生にあたる4年生です。生徒会委員を選ぶ学校内の選挙で選挙管理委員を担っています。枝川さんは、ある初めての試みに緊張していました。選管委員長「ネット投票は4年次だけが行うかたちになってます」枝川さんの学年は、インターネットによる投票。実は、実際の政治家を選ぶ選挙への導入を視野に入れた本格的なもので、地元・つくば市がバックアップしているのです。つくば市政策イノベーション部 森祐介部長「なぜやるのか、どういう意図で、意義があるのか、自分事にしてもらってインターネット投票を今後の街・市政・行政の中で活用していくべきかどうか、皆さんの方でも議論を深めてもらいたい」 ◇◇◇◇◇ 「でもそれだと投票箱が増えちゃう。そうするとそっちのコストがかかるから」枝川さん「人件費とかかさみそうだね」 「じゃあそこ単位でインターネット投票にすればいいんじゃないの?」投票所へ行かずに投票できる「ネット投票」は、有権者の手軽さゆえ投票率が上がること、開票作業の効率化が期待されます。迎えた選挙当日。ネット選挙の課題は「投票の秘密を守ること」です。生徒の使用するスマートフォンには、IT企業が提供する「投票アプリ」が事前にダウンロードされました。投票者が誰に票を入れたか分からないよう匿名性を守る一方で、なりすましや重複の投票を防ぐといいます。はたして上手くいくのか?投票がスタートすると、生徒は各々、校内の好きな所から投票します。投票する候補者を選び、投票ボタンを押して完了です。教室で投票した生徒「簡単でした、やりやすくて」教室で投票した生徒「設定まではちょっと大変だったけど、本番の投票は早くできたので助かりました」しかし中には、先生に「紙でいこう!」と言われた生徒も。実はログインできないなどトラブルで、22人が紙投票になりました。8人の欠席を含め、この日ネットで投票できたのは160人中130人でした。 ◇◇◇◇◇投票が終わり、放課後になると、ほかの学年などの紙投票の開票作業が続く一方、ネット投票の結果は瞬時に出ていました。開票結果を見つめる枝川さんには、ある役割がありました。枝川優菜さん「不正がないかどうかを監視というか、みている仕事でした。今回、インターネット投票するというのを両親とも話した。選挙について話すきっかけにもなって、両親と3年後、つくば市長選に参加すると思います」つくば市は、若い世代に慣れ親しんでもらい、3年後の市長選にはネット投票を導入したい考えです。一方で、システムトラブルへの対応など課題解決が求められます。