変異種のコロナ感染の第4波が現実のものとなりつつあるなかだが、4月からは新入生と新入社員が誕生する。そんな彼らがもっとも心配していることのひとつが、「どうやってコミュニケーションをとって人間関係を築くか」ということだという。その悩みはおそらく入社10年20年経っても変わらないはずだ。しかし、対話には良好な関係を結ぶ基本があると語りつづけ、いま話題の著書『福田和也コレクション1:本を読む、乱世を生きる』(KKベストセラーズ)でも披露しているのが文芸評論家の福田和也氏だ。これまでも対話の本質を語ってもらったが、今回は「大人の対話の態度」基本のきを、新入生と新入社員に送る。
■良い「生意気」と悪い「生意気」
礼儀正しく、かつ生意気である、ということは、精力に満ちた若者が、基本的に身につけるべき姿勢であり、態度なのです。
すでに申しあげた通り、礼儀正しいというのは、けして単純に挨拶や、言葉遣いだけの問題ではありません。無論そうした要素は大事なものですし、そこで間違っているのは話になりません。
けれど、それ以上に大事な礼儀の本質をついつい見逃しがちです。礼儀とは、相手にたいして十分な配慮をすること、というとごく当たり前に聞こえるかもしれません。しかし「配慮」というものを、多くの人は簡単に考えすぎています。「配慮」を何かしら親切だの、気配りだのといったふるまいと混同してしまっている(それはそれで、大事なものですし、難しいところもありますが)。
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