ネギとイチゴが入った箱を載せて飛行するドローン(28日、千葉市で)
千葉市は28日、ドローン(小型無人飛行機)での農作物運搬の実用試験を市内で行った。農作物の運搬試験は全国でも珍しい。農家の高齢化や人手不足が懸念される中、収穫した農作物の集荷場への運搬にかかる負担を減らしたい考えだ。【動画】ドローンで青果運搬 市は2015年度、物流などでのドローンの実用を目的とした国家戦略特区に選ばれてから、宅配や公共施設の点検などにドローンを活用。3年後の実用化を目指し、市内で試験を重ねている。 今回の試験は、ドローンの練習場を運営するダイヤサービスと共同で行った。ネギとイチゴを詰めた重さ約7キロの箱をドローンの下部にバンドで固定し、協力農家の敷地から離陸した。上空50メートルを直線距離で約500メートル離れた広場まで5分かけて飛ぶと着陸して荷物を下ろした。 荷物のネギを提供し2・5ヘクタールでキャベツとネギを栽培する花見川区の三山勝本さん(47)は「ドローンで運べたら運転免許証を返納しても農業を続けられる。20キロほどの荷物をワンタッチで積み下ろしでき、安全に運べれば現実味が出る」と期待する。 市国家戦略特区推進課の吉野嘉人課長は「運転への不安や免許返納を理由に離農する人を少しでも減らしたい。運行上必要な許可申請の手続きなどで後押ししたい」と話す。
日本農業新聞