クルマが飛んだ? 耐空証明を取得したKlein VisionのAirCarが描く未来とは

Klein VisionのAirCar(出典:Klein Vision)

ではKlein VisionのAirCarは、どのように空を飛行するのだろうか。

以下に動画が公開されているのでぜひご覧いただきたい。

Klein VisionのAirCarの動画

主翼と尾翼を車体から出したまま、滑走路を加速。飛行機と同様の方法で離陸するのだ。高度は最高で5,500mまで上昇可能という。着陸も飛行機と同様。

クルマが飛んだ? 耐空証明を取得したKlein VisionのAirCarが描く未来とは

着陸した後は、AirCarは翼を格納することができる。主翼は格納され、尾翼は折り畳まれて、コンパクトなクルマへと変身するのだ。そしてクルマのエンジンはBMWのエンジンを搭載しているという。このように、AirCarは自動車モードと飛行機モードの2つのモードを持つのだ。

AirCarは、ついに耐空証明を取得することに成功している。この耐空証明の取得にむけて2017年から活動を開始していたという。AirCarは、欧州航空安全機関(EASA)の基準に準拠した200回の離着陸を含む70時間の厳格な飛行テストを無事に完了し、これにより飛行機モードとしての静的・動的の安定性が確認できたという。

いかがだっただろうか。

Klein VisionのAirCarは、クルマから飛行機へと移行できるすごいクルマ。巷で言われるeVTOLのようなヘリコプターのような離着陸タイプの「空飛ぶクルマ」ではなく滑走路を加速し離着陸するタイプだ。

もちろん、この運転にはパイロット免許が必要とのことだが、将来誰でもクルマと飛行機の両方を運転でき、気軽に遠方へと行けるようになる、そんな未来がくるのではないか、そんな想像も膨らむ。

他にもKlein VisionのAirCarは、3人乗りや4人乗り、ツインエンジン、水陸両用バージョンの開発も将来計画しているという。地球上のありとあらゆるところの移動手段を模索しているKlein Visionの今後の動向がとても楽しみだ。

齊田興哉

さいだともや

2004年東北大学大学院工学研究科を修了、工学博士。同年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、2機の人工衛星プロジェクトチームに配属。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。 現在は、コンサルティングと情報発信に注力。書籍に「宇宙ビジネス第三の波」、「図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」など。テレビ、新聞、Webサイト、セミナー・講演も多数。Youtube:元JAXA職員、齊田興哉 Twitter:@rinocerontepad

この著者の記事一覧はこちら