海岸線を確認して回る自衛隊員=2日午前8時、加賀市の新保海岸
宮橋市長(左)に事故の説明に訪れた石引司令=2日午後1時、小松市役所
捜索に当たる海自の潜水艦救難艦「ちはや」=2日午前8時、加賀市の新保海岸から
先月31日に消息を絶った航空自衛隊小松基地のF15戦闘機の捜索は2日も続けられた。沖合では、基地の航空機などが2夜連続で夜通し、乗員2人の手掛かりを捜した。「仲間の命が懸かっている。一刻も早く見つけたい」。発生から3日目を迎え、海岸線で捜索に当たる隊員は焦燥感をにじませ、2人の帰還を信じて漂着物を確認した。石引大吾基地司令は小松市役所で宮橋勝栄市長に事故を謝罪した。【写真】墜落したとみられる虎柄のF15と、搭乗していた田中1佐=昨年12月 機体がレーダーから消えた基地から約5キロの洋上周辺には、救難ヘリや、海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」、潜水艦救難艦「ちはや」などが集まり、夜を徹して捜索した。 加賀市の新保海岸沿いでは、基地の隊員4人が堤防横の消波ブロックをのぞき込み、機体の残骸がないか見て回った。隊員は堤防を越えて打ちつける波を浴びながら「全力で捜索に当たっている」と繰り返した。 小松市の安宅海岸でも捜索が行われ、隊員は「仲間の命が懸かっている。一刻も早く手掛かりを見つけたい」と海を見つめた。 海岸を訪れた小松市矢田野町の永原松一さん(76)は「今日はしけていて波が高い。寒い中でかわいそうや。早く見つけてあげてほしい」と祈った。基地の広報担当者は「見つかるまで捜索を続ける。全力を傾けている」と話した。 F15は離陸直後のごく短時間で異常が起き、墜落したとみられる。これまでに垂直尾翼の一部とみられる部品などが見つかった。小松基地に拠点がある飛行教導群の群司令である田中公司1等空佐(52)と植田竜生1等空尉(33)が搭乗していた。●石引基地司令「迷惑かけた」 小松市役所を訪れた石引司令は、宮橋市長に「このたびは基地周辺の自治体および住民の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありません」と頭を下げ、事故が起きたことを直接謝罪した。 乗員2人の捜索に全力を挙げていることや、原因の徹底究明、安全対策に万全を期すことを説明した。市議会に吉本慎太郎議長も訪ねた。 石引司令は2日午後、石川県庁も訪れ、谷本正憲知事に謝罪と説明を行う。