「サウナシャン」(大阪市淀川区)カウンター
2月初頭、サウナ好きの柳橋弘紀さん(@yanagibashi33)が、「防犯カメラがこんなにポジティブに使われた例は日本初だと思います」と、とある施設での出来事をツイート。この投稿に賞賛の声が集まり、3万いいねを超える話題となっている。【写真】感動のツイートに「3万いいね」◆入館前に写真を撮っていたら・・・件の施設とは、大阪・十三にある「サウナシャン」(大阪市淀川区)。柳橋さんは、「入館前に看板をパシャパシャ撮ってたら、その様子を防犯カメラで見られてたようで、帰り際フロントで『電気全部つけましたので、よろしかったら帰りにもう一度撮影していってください』と送り出されました」と、SNSでつぶやいている。この体験には、「とても、とてもほっこりしました」「温かな対応で心が整いました」「泣いちゃった・・・」「大阪の誇りです」などの声が多数。取材をおこなうために施設について調べたところ、あらゆる口コミに「スタッフの方の心遣いがすばらしい施設です」と記載があり、どうやら今回の対応が特例というわけではなさそうだ。◆「こんなに喜んでいただけるとは」当時の心境が気になり、実際に「サウナシャン」で取締役副社長・石垣さんと、支配人・森さんを取材。今回の話題について知らなかった様子で、「そんなに多くのひとが見てくれてるんですか! いやぁうれしい」と笑顔で対応してくれた。開業からすでに50年以上が経過しているという同施設。5階建ての大型ビルで、銭湯&サウナ施設のほかに、カプセルホテルの棟も設けられている(現在は休業中)。柳橋さんが訪れた日のことを訊くと、「入店を知らせるカメラを見ていたら写真を撮られていたので・・・こんなに喜んでいただけるとは」と、森さんは話す。オープン当初は、現在より更に豪華な電飾看板が飾られていたそう。雨天時は泡デザインのネオンが壊れてしまうため、現在は晴れた日のみすべての明かりをつけているという。石垣さんは、「ネオンサイン職人も減っているので、いつまで続けられるか」とコメントした。◆心得は「なにも特別なことはしていない」今回の出来事を含め、訪れた客からは接客を絶賛する声が多い同施設。接客において心がけていることを質問すると、「なにも特別なことはしていないですよ、よくお客さんとしゃべるだけ。たまにしゃべりすぎって怒られちゃうんですけどね(笑)」と石垣さんが笑って答えてくれた。一方で、良い話題ばかりではなく、同施設は2021年12月までコロナ禍において休業を余儀なくされていた。かつては20~30人いたスタッフも若者から順旬に辞めていき、今は40歳以上の5~6人ほどのスタッフで運営をおこなっているという。コロナ禍前に比べて客足もグッと減ったという状況下のなか、辞めていったスタッフについて、「新しい仕事が見つかったようで本当によかった、そこでもがんばっていたらうれしい」と話す石垣さんたち。会話の端々から人の良さを伺うことができ、今回話題になった出来事も納得だ。最後には、「綺麗さ、清潔には自身があります! サウナを気軽に入ってもらいたいですね、案外ストレス発散になりますよ。サウナ好きな方、お待ちしています」と2人で話した。同施設は男性専用、営業時間は昼2時~夜10時45分(受付は夜9時45分まで)、定休日は月曜。料金は、60分900円など。阪急神戸本線ほか「十三駅」から徒歩約5分。