サブディスプレイの意味
Uniherzと言えば「Jelly」や「Atom」シリーズを始めとした小型モデル、「Titan」シリーズのようなキーボード付きモデルなど、異色のスマートフォンをリリースするメーカーとして名を馳せているのだが、「TickTock」はこれまでの製品とは異なり、背面に円形の1.3型サブディスプレイを備えた、同社のこれまでにない新しいラインナップとなる。
小型モデルやキーボード付きモデルは、いずれも実用面から、これらを必要とする一定層がいるのに対し、2画面付きは正直なところそこまで実用性はなく、飾りとしての要素が強い。そういう意味で新興のUniherzにしてはかなり思い切った製品投入だと思う。
「サブ画面を備えた携帯電話」というくくりでは、過去に日本の携帯電話各社からさまざまな端末がリリースされてきたが、折りたたみではなくスレート型が主流のスマートフォンであえて2画面を備えるのは少数。比較的大型のサブ画面を備えているのは「nubia X」や「YotaPhone」あたりが有名で、おまけとして備わっているのは「Cosmo Communicator」や「Mi 11 Ultra」、「ROG Phone 5 Ultimate」ぐらいだろうか。本機は1.3型なので後者である。
ではこの1.3型の円形ディスプレイで何ができるかだが、いまのところ「通知」、「時計」、「音楽」、「カメラ」の4つの機能がメインとなっている。通知はカレンダーに登録された予定や着信などが表示されるもの。時計は円形というメリットを最大限に活かして、アナログ時計を表示させる。一方音楽は再生や前の曲/次の曲といった操作が可能で、カメラは背面カメラを使ってプレビューを見ながらシャッターが切れるというものだ。
TickTockのセカンドディスプレイ時計表示機能カメラ撮影機能音楽コントロール通知表示
このうち通知と音楽についてあまり語るものもないので省くが、時計についてはなかなかのこだわりようで、標準で16種類の文字盤が用意されているほか、7種類の表示と好みの画像を背景の組み合わせにもできるのでカスタマイズ性は高い。ちなみに文字盤の切り替えは設定から行なえるほか、時計表示時にダブルタップすると切り替えられるので、日や気分によって変えるのは容易だ。
「サブスクリーンの設定」の「文字盤の選択」設定。標準で16種類の文字盤が用意されている背景を指定して、7種類の表示方法と組み合わせることもできる
カメラはその名の通り、背面ディスプレイを使って撮影するというもの。こちらを使って撮影すると背面カメラを前面カメラ、前面カメラを背面カメラとして利用できる。なお、標準では画面に合わせて360×360ドットの低解像度画像が出力されてしまうので、高解像度で撮影したい場合はあらかじめ設定しておく必要がある。当然、背面カメラを前面カメラとして自撮りした場合はかなり高精細な写真が出てくる。一方で前面カメラは固定フォーカスなので、遠景撮影には向かない。必要に応じて使い分けるといい。
なお、本体側面には2つ機能を自由に割当可能なファンクションボタンを備えているが、このうち下の方は標準ではサブディスプレイ点灯が割り当てられている。一応オプションではダブルタップで点灯といった設定も可能だが、使いやすさという意味ではこの標準設定をおすすめしたい。
現時点ではサブディスプレイは機能は限定的だが、継続的にソフトウェアアップデートにより機能追加していくとのことだ。とは言え、実用面よりもアクセサリとしての意味合いが強い。
ちなみにディスプレイは液晶なのだが、発色がよくかなり見栄えがするほか、腕時計のベゼルのような形の金属パーツでディスプレイを囲んでいるので、デザインとしてのアクセントはなかなかパンチが効いている。セキュリティなどの観点から常時画面を下向きにして机において置くユーザーが、ちょっと時計や情報を確認したいという時に便利に使えるだろう。
サブスクリーンの設定。LCDで焼付きの心配はないため常時表示でもいいような気がするが、端末をひっくり返したら表示する、ダブルタップで表示するといった設定も可能なため、電力消費を抑える意味でもスクリーンタイムアウトを設定にしておいたほうがいいかもしれない標準では下の方のファンクションボタンにサブディスプレイ点灯が割り当てられていたちなみにファンクションボタンの設定は「設定」→「スマートアシスト」から行なうショートカットなどを設定できる1つのボタンでも、短押し、長押し、ダブルクリックでそれぞれ別々の機能を割り当てられるため、実質6つの機能が利用できる