裸眼で5KのVR視聴が可能!クラファンで注目のOLED採用VRヘッドセット『arpara』体験レポート

クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で先行販売されている5K マイクロOLED採用のVRヘッドセット『arpara』を体験する機会を得たので、どんな製品だったのかを簡単にご紹介したい。【もっと写真を見る】

裸眼で5KのVR視聴が可能!クラファンで注目のOLED採用VRヘッドセット『arpara』体験レポート

写真:アスキー

 ARPARA(アルパラ) GLOBAL TECHNOLOGY.LIMITEDは、世界初の5KマイクロOLEDを搭載した『arpara 5K VRヘッドセット(Black)』と、ワイヤレスオールインワンVR『arpara VR オールインワン』を、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」にて2021年12月14日(火)より先行販売している。販売期間は2022年2月11日(金)まで。発送時期は3月を予定しているという。 重量200gと軽量な5K OLED採用VRヘッドセット 本シリーズは、いずれも1.03型(片眼2560×2560ピクセル)でデジタルシネマ規格のDCI-P3カバー率90%、視野角が95度の高解像度マイクロOLEDを採用。最もベーシックとなる『arpara 5K VRヘッドセット』は、3DoFに対応した動画視聴向きのVRヘッドセット。リフレッシュレートは5Kだと70~90Hzだが、解像度次第では最大で120Hzまで対応するという。重量はわずか200g、ヘッドバンドの弾力性が調整でき、かつバランスを考慮した設計のため頭部の重量負担が適度に分散するとしている。VRヘッドセットの使用において、視力の低い人は眼鏡を付けたまま使えるかが気になるところだが、本機はレンズ周りのダイヤルを回して視差が調整でき、裸眼で使用する。瞳孔間距離は56~72mm。また、ブルーライトカット認証付きとのこと。ヘッドバンドは本体左右から飛び出しているヒンジ部分に被せるような形で装着し、脱着できる。ヒンジの内側にはスピーカーが備わっているため、イヤホンなしでも音が聞こえる。  『arpara 5K VRヘッドセット』は、スマホやPC、タブレットなどとUSB Type-CまたはMiracastコンバーターを介して接続することで、2Dまたは3D動画の視聴ができる。頭の上下、左右、回転が検知できる3DoF対応のため、360度動画の視聴もできるとのこと。対応スマートフォンは海外の公式サイトに記載はあるが、ファーウェイやサムスン、Oppoといったグローバルメーカー製のAndroid端末のほか、iPhone 5以降などとなっている。日本国内メーカー製の端末については、動作未検証と思われる。 6DoFトラッカー付きでVRゲームにも対応! 同社は『arpara 5K VRヘッドセット』に6DoF対応の拡張トラッカーを取り付けることでゲームのプレイも可能にしたゲーミングセット『arpara Gamer 5K』の販売も予定している。『arpara Gamer 5K』は、6DoF対応のヘッドアンドハンドトラッキングに対応。VR空間を前後、左右、上下に自由に移動できる。トラッカーを取り付けたことで、重量は320gに増量したが、それでも競合製品『Oculus Quest 2』の503gよりも軽い。コントローラーは付属しないが、SteamVR 1.0および2.0ベースステーションと互換がある。そのため、ゲームをプレイするには、ベースステーションとHTC VIVEコントローラー、ValveIndexフィンガーまたはNOLOVRのようなサードパーティー製が必要となる。ちなみに、接続するPCのシステム要件は、CPUがインテル「Core i5-9400」(6コア/6スレッド、最大4.10GHz)またはAMD「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、最大3.7GHz)で、グラフィックスがNVIDIA「GeForce RTX 2070」以上、メモリー16GB以上、OSがWindows 10としている。この『arpara Gamer 5K』は、事前に体験できる機会を得た。体験会では、『arpara Gamer 5K』をPCに有線で接続。ベースステーション 2.0とHTC VIVEコントローラーで、両手の剣を振ってノーツを切る定番VRリズムゲーム『Beat Saber』をプレイした。既報記事でHTCの『VIVE Pro 2』は解像度が5Kで、リフレッシュレート120Hzに対応しており、従来機よりもほぼ格子感がない、と伝えているが、『arpara Gamer 5K』はそれよりも格子筋を感じず、滑らかに見えた。同じ条件下で比較しないとなんとも言えないが、黒の引き締めもより良いように思えた。一方で、視野角が95度と狭いため、左右の見える幅は『VIVE Pro 2』よりも狭く、窮屈にも感じる。ただし、そのデメリット以上に、この軽さは魅力的だ。  『arpara Gamer 5K』の本体部分は、『arpara 5K VRヘッドセット』と同じもの。オプションで6DoFトラッカーを取り付ければ、同じように使えるという。今後、ショップで正式販売された際に、オプションとして6DoFトラッカーのみが購入できるのならば、後で買い足すのもアリだろう。HTC VIVEコントローラーやベースステーションは、単体で量販店でも購入できるが、VR入門者で『arpara Gamer 5K』と一緒に揃えるにはやや高価だ。ただし、5Kの高解像度が320gという軽さで実現できるため、HTC VIVEなどを既に持っていて、ヘッドセットのみ新調したい、といったユーザーに向いているだろう。 コントローラーも付属する一体型VRヘッドセット 『arpara VR オールインワン』は、残念ながら実物を拝見できなかったが、他製品と同じ5KのマイクロOLEDを採用。リフレッシュレートは最大90Hz。CPUはQualcomm XR 2を備える。重量はわずか380gと一体型のVRヘッドマウントディスプレーとしては最軽量クラス。内臓ストレージは128または256GB、6500mAhの大容量バッテリーを備える。無線通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.2+BLE。同社独自のソーシャルVRプラットフォーム「arparaland」に対応。arparalandは、仮想キャラクターをカスタマイズし、レクリエーション活動やビジネスコラボレーションを行える仮想ソーシャルプラットフォーム。自分の思うままの環境やアバターなどを作成でき、他のユーザーとコミュニケーションができるほか、ユーザーコンテンツが楽しめたり、簡単なボードゲーム、スポーツゲームを搭載する予定とのこと。また、HTCのアプリストア「VIVEPORT」をプリインストールし、VIVEPORTで提供されているアプリは使用できる。さらに、PCとの接続は有線と無線どちらも可能で、PCに接続してSteamVRやVIVEPORTのゲームをストリーミングしてプレイできるとしている。駆動時間はアプリにもよるが、ゲームで2.5時間、動画視聴で3時間ほどとのこと。前述した2製品は、VRを実現するのに外部に設置したベースステーションを利用するアウトサイドイン方式だったが、『arpara VR オールインワン』は前面の4つのトラッキングカメラを利用したインサイドアウト方式を採用。ベースステーションなしでも、6DoFのVRコンテンツが楽しめる。6DoF対応のコントローラーも付属するため、VRデバイスを初めて購入する人でも安心な製品になっている。価格は公式アナウンスで『arpara 5K VRヘッドセット(Black)』が希望小売価格が699ドル(約7万9022円)、『arpara VR オールインワン』が1299ドル(約14万6825円)。現状はクラウドファンディングサイトのみでの出資になるが、Amazonやオフラインショップでの販売も企画しているという。新たなVRデバイスのシリーズとして要注目だ。 文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

最終更新:アスキー