アップルの「AirPods」が史上最高の売行きを誇るワイヤレスイヤフォンである理由、それは利便性である。iPhone、iPad、MacBookと瞬時に自動接続でき、音質もほぼ問題ない。だからこそ、いまだに多くの人がAirPodsを購入している。同じ価格帯の競合製品と比べて音や装着感、バッテリーのもちで譲るにもかかわらずだ。
しかし、AndroidユーザーもようやくAirPodsの便利さに負けないイヤフォンを手に入れられるときが来た。「Google Pixel Buds A-Series」が登場したのである。
Pixel Buds A-Seriesは実用本位のイヤフォンで、価格は99ドル(日本では11,900円)。スマートフォンと瞬時にペアリングでき、使い勝手はとてもシンプルだ。ただし、高価格帯のイヤフォンに搭載されている機能の一部は省かれている。
とはいえ、お手ごろ価格でありながら着け心地は快適で、音質もいい。運動して汗をかいても安心な防滴仕様は、AirPodsを上回る評価を得ている。それなら、ほかに必要なことなどあまりないはずだ。Pixel Buds A-Seriesはワイヤレスイヤフォンを初めて買う人にぴったりで、Androidユーザーなら問題なく使いこなせるだろう。
快適で安定した着け心地
Pixel Buds A-Seriesは多くの点で、グーグルが2020年から販売している高性能イヤフォン「Pixel Buds」とそっくりだ。A-Seriesの「A」とは、グーグルのスマートフォン「Pixel」シリーズ(例えば「Pixel 4a」など)と同様に、機能を簡素化したお手ごろ価格のモデルであることを示している。
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Pixel Buds A-Seriesに付属するケースはPixel Budsと同じ楕円形で、色はマットホワイト。映画『スター・ウォーズ』のストームトルーパーが標準装備していそうな見た目だ。上部のフタを指で弾いて開けると、おなじみの丸いイヤフォンが現れる。
イヤフォン本体の色はホワイト(Clealy White)か、上品なオリーヴ色(Dark Olive)の2種類が用意された。イヤフォンに記された小さな「G」の文字はグーグル製の印である。
イヤフォンの上部からは、ゾウの鼻を思わせる固定用アーチが突き出ている。このアーチを取り外せないことが不満だというレヴューを見たが、個人的には気にならない。イヤフォン本体はとても小さく、基本的には誰の耳にもフィットする。固定用アーチが柔らかいので、どんな耳にもぴったりとはまる。
厳密に言えば、先行したPixel Budsよりも、A-Seriesのほうが小さく軽い。だが、その差はミリグラム単位だ。十分に軽いので、激しく動いてもきちんと耳に納まっていてくれる。これまでにずいぶんさまざまなイヤフォンを試してきたが、これほど快適で安定した着け心地は久しぶりだ。長距離を走ろうが、ドラムを叩こうが、犬とあちこち遊び回ろうが、ちっとも動かない。
とても素早いペアリング
充電ケースを開けてイヤフォンを取り出すと、Android 6.0以降を搭載したスマートフォンがイヤフォンを認識し、Pixel Budsアプリをすぐにダウンロードしてペアリングする。初めて耳に装着してから数秒後には、音楽が聞こえてきた。