ずっと使い続けたくなるケースが魅力。Bang & OlufsenのANC搭載イヤホン「Beoplay EQ」が登場

持っていてウキウキする要素は、あなどれない。

デンマークのオーディオブランド、Bang&Olufsen(B&O)の最新ワイヤレスイヤホン「Beoplay EQ」が発表されました。直近の「Beoplay E8 Sport」から約1年ぶりのアップデートで、ついにアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載した待望のモデルになります。

ANCももちろん嬉しい要素なんですが、そこはデザインに定評のあるB&O。見た目や所有感といった部分も大幅に強化してきました。テクノロジーとエモーショナルの両面を仕上げてきた、ゴン攻めなモデルをいざやチェック。

うっとりするアルミニウムケース

まずはなんといっても、ケースの質感。素ん晴らしいです。アルマイト加工されたアルミニウムを使っているのですが、B&Oはアルミニウムに並々ならぬこだわりを持っているのはご存知? イヤホン製造を完全に自社で行なっているメーカーはほとんどないのですが(おそらくソニーとAppleくらい)、B&Oはアルミニウムだけは自社で作ってるんです。言われてみればB&Oはアルミを使った製品が多い。

今回の「Beoplay EQ」は、普段よりも強めのアルマイト加工を施すことで、耐久性をさらに向上。毎日のように使うものだからこそ、傷つきにくさは大事にしたとのこと。傷や指紋が付きにくい素材ですが、同時に「経年劣化による傷もエージングと感じて欲しい」と説明を受けました。ジッポライター的な、使い込めば使い込むほど的な魅力を秘めています。

パカッとオープンした佇まいも特徴的。イヤホン本体は左右斜めに鎮座しています。フタの開き具合や閉じるときの慣性も、絶妙に心地良い。

背面。充電端子はもちろんType-C。ケースサイズはかなりコンパクト。

直近モデルの「Beoplay E8 Sport」と比較すると、背の低さやコンパクトさがよくわかります。AirPods Proと同じ程度の薄さなので、ポケットにはすごく入れやすいです。

イヤホン本体はやや大きめ。半月型の切り欠けがこれまた特徴的で、装着する際はこの半月が垂直になるように意識すると、ロゴが正面になりフィットしてることがわかります。

スペックは、対応コーデックがSBC、AAC、aptX Adaptive。再生時間はANCオンで最大6時間、無しで最大7.5時間(aptX Adaptive接続時はANCオンで5.5時間)、ケース充電を含めると最大約20時間。Qi充電、20分で約2時間再生の急速充電に対応。IP54の防水性能、装着検知センサー搭載。

ずっと使い続けたくなるケースが魅力。Bang & OlufsenのANC搭載イヤホン「Beoplay EQ」が登場

待望のアクティブノイズキャンセリングの効果は?

ANCの威力ですが、めちゃめちゃ強いわけではありません。同じく2021年モデルの「WF-1000XM4」と比較するとさすがに物足りなく感じる(むしろXM4が強すぎる)。ですが、電車やバスの騒音はかなりカットしてくれています。外音取り込みも違和感なく、会話ができるクオリティ。

もともと、B&Oのワイヤレスイヤホンはパッシブノイズキャンセリングという名の遮音性が優秀でした。さらにB&Oのイヤホンにはコンプライのイヤーピースが同梱されていて、今回も同梱されています。イヤーピースをコンプライにするだけで、遮音性や音質は大幅に変わってくるはずです。ワイヤレスイヤホンの中にはコンプライを装着するとケースに収まらないものもあるので、そこを担保してくれてるのもありがたい。ちなみにANCや外音取り込み時は風切り音が気になることがあるので、そんなときはオフにしてパッシブノイキャンとして運用すればOKです。

また、「Beoplay EQ」のANCは、デフォルトではアダプティブANC(周辺環境に応じてノイキャンのレベルが自動変更される)になっています。これが2021年8月ごろのアップデートで、アプリからノイキャンレベルが調節できるようになるそうな。常に最大レベルのノイキャンにすれば、さらに消音できるかもしれません。

音質については、アコースティック主義を謳うB&Oらしく、かなり原音忠実。ドライバーサイズが今までの5.2mmから6.8mmに大口径化していて、そのおかげか低音の迫力が向上しています。キックの頭がハッキリ感じられ、ブーミーな曲を聞いてもドッシリと感じられますね。ハイハットの粒もつぶれず、キレの良さが心地良い。

ただ、見ての通り装着時はやや出っ張ります。モデルの男性の耳が平均より小さいという効果はあるにしても、本体の半分ほどが見えてるので。とはいえ落下する感じはないので、装着者的には違和感はないけど周りから見ると目立って見える、みたいな感じです。

音質よりも「ココ好き」なポイントがある

待望のANC搭載やドライバーの大口径化など、音質に寄与する部分のアップデートはやっぱり見逃せませんし、実際に違いも感じ取れます。ますが…やっぱり一番テンションが上がるのは、美しい仕上がりのケースです、やっぱり。

だってフタの内側の面取り具合とかすごく絶妙なんですよ。指でつーっとなぞりたくなる、まさにクラフトマンシップな仕上がり。AirPods Proのケースのフチってかなり角張ってるけど(あれはあれで気持ち良い)、それとはやはり異なる手触りです。

いうなれば、なんか良さげな小物ケース的な魅力。蚤の市でふと見かけた、アクセサリーやピルケースに良さげなビンテージの小物入れにも似た魅力。ワイヤレスイヤホンのケースっぽくないんですよね、プラスチッキーでもないし、ロゴの主張も控えめだし。だが、それが良い。PCの横に置く時も、ポケットから取り出す時も、なんだかサマになるんですよ。手触りも良く、ついサワサワしちゃう。

ケースの仕上がりで音質が変わることはありませんが、愛着は大いに変わってきます。特にワイヤレスイヤホンはスマホと同じくらい常備するものですし、所持していて気持ちがアガるデザインであることは重要。B&Oはそこにレザーのエージング(なんなら音質もエージング)のような時の経過をエッセンスとして注入してきました。なんだか嬉しくなるじゃあないですか。

時間をかけて「自分だけのイヤホン」に

「Beoplay EQ」は、希望小売価格税込み3万9900円。記事で紹介したBlack Anthraciteに加え、Sand Gold Toneの2色展開です。発売日はBlack Anthraciteが2021年7月29日、Sand Gold Toneが8月下旬予定。

アプリに関しては8月半ばにアップデートがあるので、Black Anthraciteをゲットした人はしばらくアプリ待ちの期間があるのであしからず。

ほら、どこで撮っても画になるもの。側に置いておきたくなるデザイン推しな存在感でありつつ、音質もANCも諦めていない。このバランス感はありそうでなかったと思いますよ。

Photo: ヤマダユウス型

Source: Bang&Olufsen