ソニーは2021年10月21日、ワイヤレスネックバンドスピーカー「SRS-NS7」を発表しました。オープン価格で市場想定価格は3万3000円前後。発売は29日。
SRS-NS7は、 テレビ BRAVIA XR との接続で、Dolby Atmos の立体音響コンテンツや、個人に最適化された音場体験が楽しめるなど、臨場感重視の新製品。特徴は主に3つ。
1つ目は Dolby Atmos の立体音響コンテンツを再生できる点。2つ目は BRAVIA XR のメニューから「3Dサラウンド」をオンに切り替えると、普段みている地上波やYouTubeなどの2chコンテンツを立体的な音で楽しめる点です。
この2点について、ソニーは「前後左右を中心とした従来のサラウンド音場に、高さ方向の表現力を加えた音の広がりを楽しめる」としています。なお、BRAVIA XR 同梱のワイヤレストランスミッターとの接続が必要です。
そして、3つ目は個人最適化が可能な点。“360 Spatial Sound Personalizer”の個人最適化技術で、よりリアルな臨場感を実現できるそうです。専用アプリ「Headphones Connect」や「360 Spatial Sound Personalizer」を使って耳の画像を撮影すると、その画像データを基に独自アルゴリズムで個人の聴感特性を解析。「その結果、音場を一人一人に最適化することができ、より“臨場感”が増す」とソニーはアピールします。
なお、アプリの利用にはアカウント作成が必要で、聴感特性データはクラウドサーバへ保存され、データはそのアカウントにひもづく、とのことです。
そのほかの特徴としては、斜め前かつ上向きに配置した大型スピーカーユニットのほか、低音を効果的に増強する「パッシブラジエーター」を各チャンネルあたりに2個配置した「デュアル・パッシブラジエーター方式」を採用するなど、内部構造の見直しにより、キレと存在感のある低音域や、音圧を上げ歪みを減らしたクリアなサウンドを実現した(ソニー)、としています。
さらに「360 Reality Audio」にも対応。これは、ボーカルや楽器などの音源一つ一つに位置情報を付加し、球状の空間に配置することで、実際に生演奏を聴いているかのような体験ができる、というもの。対応コンテンツは「Deezer」「nugs.net」にて配信されていますが(2021年10月5日時点)、「Amazon Music HD」は同コンテンツ非対応となっています。
少しだけ試聴する機会を得ましたのでかんたんにレポートします。今回は音場の個人最適化をした後に、Dolby Atmosのデモコンテンツを再生してみました。まず驚いたのはヘッドホンではない筐体から雷雨や雨粒が木々に落ちる音が細部に至るまでリアルに再現された音が聞こえてくること。つづいて映画「グレイテスト・ショーマン」の歌唱シーンを試聴。ラウンドをオンにするとボーカルが遠のく一方、オフにすると近くで鳴ってる感が増す、という印象です。
Bluetooth(コーデック : SBC / AAC / LDAC)接続に対応したのもWS1からの進化点です。スマートフォンやウォークマンの音楽も聴けるようになりました。
ちなみに、SRS-NS7に同梱されるワイヤレストランスミッター「WLA-NS7」の単体販売も予定。こちらもSRS-NS7同様、価格はオープンですが、市場想定価格は7000円前後。BRAVIA XRTM+WLA-NS7+対応ヘッドホン(下記)で、立体音響体験ができる点が売りのひとつです。
<対応ヘッドホン> (WLA-NS7発表時点)
上記以外の進化点は、人間工学に基づき、身体への接地面を考慮し、重さを分散させた設計にしたことで、肩への負担を軽減したことなど。ほかにも、IPX4等級の防滴、ハンズフリー通話、急速充電に対応するなど、初代から着実な進化を遂げています。
同梱品は、ワイヤレストランスミッター WLA-NS7、光デジタルケーブル×1、USB Type-C ケーブル×2、保証書。
なお、同カテゴリのソニー製品としては、バイブレーション機能やソニー独自無線技術を搭載した重低音志向の「SRS-WS1」(2017年発表 2万5000円前後)や、軽量ながらデュアルマイク内蔵で通話音質重視の「SRS-NB10」(2021年7月発表 1万5000円)が販売されていますが、“音の迫力”という点ではSRS-NS7に軍配が上がります。各製品の特徴を以下にまとめてみましたので、マイベストチョイスを探してください。