Fit Proは、イヤーフックを備えた「Powerbeats Pro」(249.95ドル)と、コンパクトで手軽に使える「Beats Studio Buds」(149.99ドル)の中間に位置する完全ワイヤレスイヤホンになる。Powerbeats Proのスポーツ対応やH1チップの機能、Studio BudsのコンパクトなデザインやANC機能といった両モデルの特徴を兼ね備える。
ウイングチップを備えた完全ワイヤレスイヤホンは、複数のサイズのウイングチップからユーザーが耳に適したサイズを選ぶ製品が多いが、Fit Proはイヤホン本体の一部にウイングチップが組み込まれた"ユニバーサルウイングチップ"デザインになっている。サイズは1つだが、ウイングチップが柔軟に曲がって幅広い耳の形にフィットする。Beatsによると、様々な競技のアスリートとのテストを積み重ねて、耳を圧迫することなく長時間でも安定して装着し続けられるユニバーサルウイングチップを実現した。装着は、前から後ろに軽く回転させてウイングチップを耳の上部にはめ込む。
ユニバーサルウイングチップのFit Proは軽量でコンパクトだ。イヤホンのサイズは3.0×2.4×1.9センチで、重さは5.6グラム。IPX4等級の耐汗耐水性能を備える。シリコン製のイヤーチップは3つのサイズ(S/M/L)が用意されている。
左右にそれぞれ1つずつ"b"ボタンを備え、音楽再生や通話、ANCと外部音取り込みの切り替えなどをオンデバイスで操作できる。機能ボタンはカスタマイズに対応し、音声アシスタントへのアクセスや音量調整などを割り当てることも可能。
光学センサーと動きを検出する加速度計によって、外すと自動的に再生が一時停止し、再び装着すると自動で再生を再開する。肌検出センサーが耳とそれ以外の場所を識別し、ポケットに入れた時に再生が再開されるような誤動作を防ぐ。
リスニングモードは「ノイズキャンセリング」モードと「(ノイズキャンセリング)オフ」モード、「外部音取り込み」モードの3つがある。風ノイズ低減をサポートするデュアルビームフォーミングマイクを装備。ANC使用時は外向きのマイクと内向きのマイクが連動し、フィット感や動きの変化に対して最大200回/秒の継続的な調整を行いながらバックグラウンドノイズを減衰させる。通話時にはユーザーの声をターゲットに、環境ノイズをカットして自然な会話をサポートする。
The Vergeのレビューによると、Fit Proは9.5ミリのドライバーを搭載(Studio Budsは8.2ミリ)。パワフルで低音が響くBeatsサウンドを実現しているとのこと。リスニングモードが「オフ」モードの時にAdaptive EQが自動的に有効になる。Adaptive EQはユーザーごとに異なる耳の形状や装着具合に応じて低・中域をリアルタイムに補正し、継続的に安定したリスニング体験を実現する。Appleのコンピューテーショナル・オーディオ機能の1つだ。
Apple H1チップによって、Fit Proでは以下のような機能を利用できる。
Androidデバイスにも対応しており、Android用の「Beats」アプリを通じて、ワンタッチペアリングや操作のカスタマイズ、ファームウェアアップデート、フィットテストなどをサポートする。
対応レンジが広く安定して通信できるClass 1 Bluetoothテクノロジーを搭載。イヤホン本体の再生時間はANCオンで最大6時間。充電ケースによる充電で最大27時間使用できる。Adaptive EQモードでは、イヤホン本体が最大7時間、充電ケースによる充電と合わせて最大30時間の使用が可能。充電ケースのサイズは6.2×6.2×2.85センチ、重さは55.1グラム。充電用のポートはUSB-Cで、"USB-C to USB-C"充電ケーブルが付属する。急速充電「Fast Fuel」で、約1時間の再生分を5分で充電できる。