今回のファッションストーリーは、平成初期の「東京」にタイムスリップするという内容でした。渋谷や新宿といったカルチャーの中心地で撮影しましたが、黒島さんから見たこの街の魅力とは?
みんなの憧れが詰まった街だと思いますね。私も小学生時代から、ここには何かすごいものがあるんじゃないかと漠然と思っていて「高校を卒業したら絶対に東京に行く」と心に決めていました。上京して7年ほど経ちますが、いまだに住んでいる実感が湧かなくて。「あんなに憧れていた場所に、今私はいるんだ」ってふとした瞬間に感慨深く感じます。
衣装や小道具にも、当時の街のエッセンスが散りばめていましたね。
撮影にも登場したフィルムカメラやエアジョーダンなど、当時ブームになっていたものがまた流行り出していますよね。たまごっちは小学生の頃に育てていたので懐かしくて。手厚くお世話しないせいか、よく「ござるっち」というキャラクターになっていたことを思い出しました(笑)。
東京で生きる楽しみのひとつに、さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ人との出会いがあると思うのですが、ひとりの働く女性として、日々どんなことがモチベーションになっていますか。
私の住んでいる街は商店街やスーパーが充実していて、徒歩圏内で身の回りのことが済むんです。それがすごく魅力的で。生活の基盤を整える上で、住む街って大事なんだなと日々感じています。顔なじみの店の方とおしゃべりしたり、近くの公園にリフレッシュしにいったり、お気に入りのコーヒー屋に立ち寄ったり。オフの日のちょっとした楽しみが、私の場合は生きるモチベーションにつながっていて。だから居心地がいい街だと、つい長く住み続けちゃうんです。
反対に離れてみて感じた、故郷の沖縄の魅力は? 東京で暮らしていて何を恋しく感じますか。
やっぱり美しい海かな。東京近郊にもビーチはあるけれど、地元とはどこか違うんですよね。あとは……ゆったりした時間の流れ。沖縄にいると遅い時間であっても「今、22時か」という感じで何とも思わないんですが、東京だと「もうすこしで0時になる!」って、妙に時間を意識してしまうんです。