充実の自動航行機能!使い方次第で大きな可能性も
Webアプリケーション「Airpeak Base」で自動航行の飛行プランを作成することができます。映像編集ソフトのようなインターフェイスで、タイムラインに沿って機体の位置(緯度・経度・高度)を指定したり、ジンバルの向きや動画・静止画の撮影タイミングを指定したりすることができます。
また、飛行軌道は直線的なものだけでなく、滑らかな曲線ルートの設定が可能です。Adobe Illustratorでも扱う「ベジェ曲線」によって曲線を描くことができます。この滑らかの曲線ルートの自動航行はとても可能性を感じます。従来の直線的なウェイポイントを活用した自動航行では(映像作品的な)空撮で使いにくかったのですが、曲線的に飛ぶことができればと利用場面が広がりそうです。実際の曲線的な動きを記録したキャプチャ映像がありますのでご覧ください。人間の操縦者が操縦したような滑らかな飛行をしています。
曲線的な自動航行のキャプチャ画面。人が操縦したかのような滑らかな飛行を実現している
さらに、Airpeak S1の自動航行機能には、一度飛行したルートを記憶させて飛行する「再現飛行」もあります。例えば、2オペレーション(機体操縦とカメラ操作を別々の人で行う撮影)ができない状況などで、一度目の飛行では飛行ルートを記憶させ、2度目の飛行でカメラワークをするという一人で2オペレーションも可能です。こちらの機能は試せなかったのですが、観光企画をドローンで実施している筆者としてはとても興味がある機能です。観光地で飛行ルートを予め設定し、一般観光客がカメラオペレーションだけ自分で行って自分が見たい景色を空から見る…などの企画も実施できそうです。
Sony開発1号機としては完成度が高いAirpeak S1!改善してほしい点もちらほら…
とても完成度が高く、独自機能も盛り込んだAirpeak S1ですが、もうちょっと改善してほしい点もちらほら。まずは、多くの方が懸念しているバッテリー問題。カメラ搭載時で約12分という飛行時間はやはり短いかもしれません。ただ、大容量バッテリーも開発中とのことで、そのあたりは時間が解決してくれるはず。
また、意外とネックだと感じたのは収納問題です。それなりに大きな機体になりますが、なかなかコンパクトな収納が難しい。実際に購入したユーザーを見るとオリジナルでケースを用意してそれぞれ工夫している模様。このあたり、公式でコンパクト収納可能なケースも販売してくれるとありがたく思います。
とはいえ、とても魅力がつまったSony Airpaek S1。カメラメーカーSonyが主要部分を市販部品では目指した性能を実現できない、と自社開発した意味はとても大きいと思います。それだけクオリティを追求した機体が実際に完成していました。購入を迷っている方にこの記事が参考になれば幸いです。