Windows 10は速やかに11にアップデート、リプレースすべきだろうか。この質問への、原則論の答えはイエスだ。セキュリティアップデートよりは優先度は下がるが、メジャーなバージョンアップは、それまでパッチでは対応しきれないようなカーネルやドライバの実装に関わる脆弱性への対応が含まれていることが多い。また、新技術や新機能によってセキュリティも強化されていることが多いからだ。
Windows XPからVista、7から8、8から10のようにアーキテクチャの変更が伴うようなメジャーアップデートは、同時に以前のバージョンのサポートが切られることも意味する。もちろん4~5年前後の猶予があるので急ぐ必要はないが、いずれサポートを受けられなくなりリプレースしなければならない。となれば、バージョンアップは単に時間の問題であり、積極的な理由や特別な事情がないかぎり先延ばしする理由もない。
しかし現実は、業務システムが古いWindowsやブラウザをベースにしている、新しいランタイムや実行環境では動かない特注プログラムが稼働している。オンラインゲームが起動しなくなったり反応が遅れる。そもそもPCが古いのでWindows 11に対応できない。といった事情でアップデートできない、しない企業も少なくない。
アップデートできない事情を十分に考慮した上で、必要な対策、被害緩和策を施すという運用は現実解ではある。その意思決定は尊重されるべきなので、Windows 11にアップグレードしないことを一概には責められない。したがって、ここではアップグレードやPCリプレースの参考になるような情報を提供する。