2021年12月7日、ACSLは、セキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」およびオプション品の受注を開始した。同機体はデータの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を備え、さまざまな産業用途に対応する。オープン価格。
2020年度より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「安全安心なドローン基盤技術開発」プロジェクトにおける研究開発成果をもとに、ACSLが製品化した。
SOTENには、コンピュータセキュリティのための国際規格であるISO15408に基づくセキュリティ対策が施され、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現している。機体の主要部品には国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を採用し、通信・撮影データの暗号化、国内クラウドでの取得データの保護などのセキュリティ強化を図った。
カメラのワンタッチ切り替え方式を採用しており、幅広くカメラを選択可能。標準カメラの他、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)と交換できる。
最大対気速度15m/sと風に強く、災害時などの厳しい環境にも対応。また、日本においてより高精度な位置情報を把握することができるSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)を搭載しており、災害での調査など正確な位置情報を把握する必要がある場面では、より安全な離着陸を可能とする。
LTE通信によるインターネットを介したドローン操縦に対応しており、山間地やプラント内等の遠隔地等で、自動飛行による補助者なし目視外飛行(レベル3)が行える。インターネットが使えない環境でも、コントロール側の基地局アプリにオフライン地図を表示し、ドローンを自動飛行させることが可能。また、機体上部にカメラを取り付けるためのマウントを開発しており、インフラ設備の点検画像を下から撮影することもできる。
産業用ドローンは、少子高齢化に伴うさまざまな社会問題を解決するためのロボティクス技術の一つとして注目されており、インフラ点検、災害時の現場確認や探索、物流、農業など、今後の暮らしに密接に関わってくると予測される。 2020年9月、政府は「調達はセキュリティが担保されたドローンに限定」し、「既存導入されているドローンについても速やかな置き換え」を実施する方針を公表(※1)しており、高いセキュリティを実現したドローンへの需要が高まっている。
※1「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について」(2020年9月14日)小型無人機に関する関係府省庁連絡会議
▼小型空撮ドローン(SOTEN)https://product.acsl.co.jp/product/post-369/
SOTENの紹介動画(ACSL公式YouTube)