JST北京事務所 2022年01月27日
国家実験室に位置付けられる青島海洋科学・技術パイロット国家実験室(以下、海洋パイロット国家実験室という)は11月25日、海洋ハイパースペクトルイメージング、水中ソルトロボットなど14領域およびオープン型の自由探索において、中国国内に向けて自由探索型課題の公募を実施することになった。中国科技網が伝えた。以下にその概要をまとめる。
海洋パイロット国家実験室が今度実施する公募は、国の海洋分野における戦略的科学技術力の整備、革新的な技術イノベーションの創出を目指して、「掲榜挂帥」[1]という新しい募集制度を導入した。これによって、応募者に対し、年齢が45才未満であることを要求する以外、学歴や職位などについて一切条件を設定しないとする。しかし、採択された場合、応募者は、「軍令状」(注:中国では、過去、軍隊の長が出征する前に、勝利すると誓って命令者に入れた誓紙。)を立て、研究費の払い方、奨励・処罰措置および成果の帰属などを決めるほか、決めた時間内に研究の目標を達成するよう義務付けられる。
募集要項によると、採択された課題は100~300万元/件の支援を受けることができ、研究期間は2年までとする。また、1課題への参与機関は2社までとし、このうち企業を中心とする課題の場合、海洋パイロット国家実験室から研究費が支払われるほか、企業もこれと同額以上を出資する必要があるという。
また、海洋パイロット国家実験室のサイトに掲載された募集要項[2]によれば、①今回採択された課題の研究期間中に、研究代表者は「軍令状」を立てた以上、原則として異動や辞職などが許されない、②努力不足など自らの原因によって研究失敗になった場合、関係規定に従ってその責任を追及するほか、信用記録に記載される。
1.「掲榜挂帥」制度については、以下を参考されたい。2021年06月11日 北京便り「国家重点研究開発計画、研究代表者の職位等を問わない公募制度を導入」
2. 《关于发布青岛海洋科学与技术试点国家实验室前沿技术自由探索榜单的公告》青岛海洋科学与技术试点国家实验室, 2021-11-25
関連リンク:
《海洋试点国家实验室发布科研项目"揭榜挂帅"任务 每项资助强度为100万元至300万元不等》中国科技网, 2021-11-25